IQOS(アイコス)は、紙巻きたばこのようにたばこ葉を燃やさず、加熱によって発生するエアロゾルを吸い込む加熱式たばこです。「紙巻きたばこより有害物質が少ない」という説明がある一方、インターネット上では「発がん性が10倍」「250倍」といった刺激的な情報も流通しています。では、2026年現在、アイコスに発がん性はあるのでしょうか。
世界保健機関(WHO)の見解、2024年に公表された横浜市立大学の細胞実験、2026年の独立研究レビュー、米国食品医薬品局(FDA)の公式判断を照らし合わせると、見えてくるのは「紙巻きたばこより一部の有害物質への曝露が少なくても、安全とは限らない」という実態です。数字の出どころと研究の限界を区別しながら、IQOSの健康リスクを整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:IQOSのエアロゾルには有害物質や発がん性が知られる物質が含まれます。健康へのリスクをゼロとはみなせません。
- 要点2:「発がん性10倍・250倍」は、IQOSを吸う人のがん発症率がその倍率になることを証明した数字ではありません。
- 要点3:2026年の研究でも、加熱式たばこの短期的な健康影響が示されています。一方、長期的ながん発症リスクを正確に数値化するには、さらなる研究が必要です。
【結論】IQOSに発がん性はある?安全と言い切れない理由
結論からいえば、IQOSには発がん性が問題となる有害物質への曝露があり、がんを含む健康リスクを否定できません。ただし、「IQOSを吸うと必ずがんになる」「紙巻きたばこの何倍もがんになりやすい」とまで断定できる科学的根拠がそろっているわけでもありません。
ここで区別したいのは、発がん性物質が含まれていること、細胞に悪影響を与えること、実際に人のがん発症率を高めることは、それぞれ異なる科学的な問いだという点です。
例えば、実験室で細胞にたばこ由来の抽出物を作用させ、細胞死や遺伝子発現の変化が確認されたとしても、それだけで人間が何年後にどの程度の確率でがんを発症するかは分かりません。一方、長期的な発がん率がまだ確定していないからといって、細胞への影響や有害物質への曝露を無視してよいわけでもありません。
WHOは、加熱式たばこについて、ニコチンや有害化学物質を含むエアロゾルが発生し、従来の紙巻きたばこと比べて一部の有害物質が少ない場合でも、別の物質は同程度または高い濃度で検出されることがあると説明しています。
また、米国疾病予防管理センター(CDC)も、加熱式たばこを含むすべてのたばこ製品には健康上の害があり、短期・長期の影響についてはさらなる研究が必要だとしています。
したがって、2026年時点で妥当な理解は「IQOSは紙巻きたばこと有害物質の構成が異なるが、安全な製品と証明されたわけではない」というものです。
【「10倍」「250倍」の真相】IQOSの発がん性を示す数字なのか
「アイコスの発がん性は10倍」「250倍」という情報は、検索結果やSNSなどで目を引く表現です。しかし、こうした数字を評価するには、何を測定したのか、何と比較したのか、どのような条件で測定したのかを確認する必要があります。
「10倍」の背景には有害物質の比較研究がある
2018年に学術誌「Tobacco Control」で公表された研究では、フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が米国FDAに提出したIQOSの有害物質に関するデータが検討されました。
この分析では、PMIが測定した一部の物質について、紙巻きたばこの比較対象よりIQOSのエアロゾル中の濃度が高いことが指摘されています。特に、FDAの有害・潜在的有害成分リストなどに含まれない56種類の成分が、比較対象の紙巻きたばこの煙より高い濃度で検出され、そのうち7種類は10倍を超える水準でした。
ただし、この結果を「IQOSの発がん性が10倍」と読み替えることはできません。比較されたのは特定の化学成分の測定値であり、すべての物質の発がん性を合算した数値でも、人間のがん発症率を比較した結果でもないからです。また、濃度が高かった成分については、健康への影響が十分に解明されていないものも含まれています。
つまり、「一部の成分が10倍以上」という研究結果と「がんになる確率が10倍」という主張は、同じ意味ではありません。
「250倍」を裏付ける確かな発がんリスクのデータはあるのか
「250倍」という数字についても、IQOSを使用した人のがん発症率が紙巻きたばこの喫煙者の250倍になることを示す、信頼できる公的評価や確立した疫学的根拠は確認できません。
有害物質の濃度は、物質の種類、測定方法、比較する製品、吸引条件などによって変わります。特定の条件で測定した成分の値だけを取り出して、製品全体の発がん性が250倍だと結論づけることはできません。
数字を見かけたときは、少なくとも次の3点を確認することが重要です。
- 測定対象:ニコチン、特定の有害物質、細胞への毒性、がん発症率のどれを比較しているのか。
- 比較条件:同じ吸引回数、同じ試験条件、同じ測定方法で比較しているのか。
- 根拠の種類:査読付き論文、長期追跡調査、公的機関の評価、企業の説明、二次情報のどれなのか。
「10倍」「250倍」という数字だけでは、IQOSの発がんリスクは判断できません。反対に、これらの数字に確かな根拠がないことを理由に、IQOSに有害性がないと結論づけるのも誤りです。
【横浜市立大学の研究】アイコスの抽出物ががん細胞に与えた影響
IQOSの発がん性を考えるうえで、重要な研究の一つが横浜市立大学の研究グループによる細胞実験です。研究成果は2024年6月25日に学術誌「The Journal of Physiological Sciences」に掲載され、同大学は同年10月30日に研究内容を公表しました。
何を調べ、どのような結果が得られたのか
研究グループは、IQOSなどの加熱式たばこと従来の紙巻きたばこから得た抽出物を用いて、ヒトの口腔扁平上皮がん細胞株などへの影響を比較しました。研究では、ニコチンとタールを取り除いたガス相の抽出物を使い、細胞の生存率や細胞死、活性酸素の生成、細胞内カルシウム濃度などを調べています。
横浜市立大学の発表によると、加熱式たばこの抽出物は高濃度では細胞死を引き起こし、紙巻きたばこと同様の細胞毒性を示しました。一方、低濃度ではがん細胞の増殖を促進する可能性も示されました。
研究では、活性酸素種(ROS)や細胞内カルシウムのシグナル伝達経路が、こうした細胞への影響に関係している可能性が示されています。活性酸素は、過剰に発生すると細胞の構造や機能にダメージを与えることが知られています。
「がん細胞が増えた」ことは、がん発症の証明ではない
この研究を読むうえで、最も大切なのは実験の対象と限界です。がん細胞株を用いた実験で増殖に関係する変化が確認されても、それはIQOSを吸った人の体内でがんが発生したことや、がん患者が増加したことを直接証明するものではありません。
実験室での細胞への曝露条件と、人間が日常生活で吸い込むエアロゾルの量、体内での代謝、組織への到達量は同一ではありません。さらに、がんの発生には曝露期間、遺伝的要因、年齢、ほかの生活習慣など複数の要素が関係します。
一方で、細胞毒性や細胞増殖に関わる変化が観察されたことは、加熱式たばこの安全性を評価するうえで無視できない知見です。実際の発がん率を確定する研究とは別に、どの成分が細胞に作用するのか、長期的な曝露がどのような影響を与えるのかを調べる必要があります。
この研究は、石田雅彦氏がYahoo!ニュース エキスパートで取り上げた加熱式たばこの有害性に関する解説でも紹介されています。研究報道の見出しだけで「IQOSが人間のがんを増やすと証明された」と解釈せず、大学の研究発表や原著論文で示された実験条件と結果を区別して読むことが大切です。
【2026年最新研究】紙巻きたばことIQOSの有害性を比較
2026年には、加熱式たばこの有害性を評価する研究レビューや、ヒトの気道細胞を使った実験研究が公表されています。研究全体から見えてくるのは、加熱式たばこでは一部の有害物質への曝露が低くなる一方、別の有害物質や細胞・呼吸器への影響が残るということです。
主要な研究・公的判断を時系列で整理すると、次のようになります。
| 時期 | 研究・公的判断 | 分かったことと限界 |
|---|---|---|
| 2018年 | 「Tobacco Control」に掲載されたIQOSの有害物質データの分析 | 一部の成分は紙巻きたばこより高濃度。特定成分の濃度差は、製品全体の発がん率の倍率を意味しない。 |
| 2024年6月・10月 | 横浜市立大学の細胞実験と研究成果の公表 | 加熱式たばこの抽出物による細胞毒性や、低濃度でのがん細胞増殖の可能性を確認。人間のがん発症率を測定した研究ではない。 |
| 2026年1月・2月 | オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM)などに関係する独立研究レビューと公的発表 | 独立研究74件を分析。一部の有害物質は少ないものの、別の有害物質への曝露や心血管・呼吸器への悪影響が確認され、長期的な健康影響には不確実性が残る。 |
| 2026年4月17日 | 米国FDAによるIQOS関連製品の曝露低減表示の認可更新 | 指定された2種類のIQOS本体と3種類のヒートスティックについて、紙巻きたばこから完全に切り替えた場合の有害物質への曝露低減を示す表示を認めた。安全性を保証する認可ではない。 |
| 2026年8月 | ヒトの気道上皮細胞モデルを用いた加熱式たばこエアロゾルの研究 | IQOSを含む製品のエアロゾルによる細胞レベルの変化を報告。細胞実験の結果であり、人間の長期的ながん発症率を示すものではない。 |
2026年の独立研究レビューが示したこと
2026年1月にオンライン公開された「The Chemical Profile and Toxicological Impact of Heated Tobacco Products」は、2019~2024年に公表された、たばこ産業から独立した研究を対象に、74件の研究を分析しました。研究対象には、加熱式たばこのエアロゾル中の化学物質や、人の心血管・呼吸器への影響、ヒト由来細胞モデルでの反応などが含まれています。
このレビューでは、加熱式たばこは紙巻きたばこと比べて、一部の有害物質や曝露指標が低い一方、特定の発がん性物質がより高い濃度で検出されることや、加熱式たばこ特有の有害物質が存在することが報告されました。使用者には、たばこを使わない人と比べて高い曝露・毒性の指標が見られ、心血管機能や肺機能への悪影響も確認されています。
RIVMが2026年2月6日に公表した研究成果の説明でも、加熱式たばこは短期的な健康影響を伴い、安全な代替品とはいえないとされています。ただし、こうした研究は長期的ながん発症率を確定するものではなく、紙巻きたばこから切り替えた場合に、個々の病気のリスクがどの程度変わるのかについては、引き続き検証が必要です。
2026年8月の気道細胞研究も、長期的ながん発症率を示すものではない
2026年8月に学術誌「Nicotine & Tobacco Research」で公表された研究では、ヒトの気道上皮細胞モデルを用いて、IQOS、glo、Ploomなどのエアロゾルへの曝露による影響を調べました。研究では細胞への直接的なダメージや、遺伝子発現、炎症に関連する指標などが評価されています。
このような実験は、加熱式たばこのエアロゾルが呼吸器の細胞にどのような影響を与えるかを理解するうえで役立ちます。ただし、細胞モデルにおける変化は、実際の使用者における肺がんの発症率と同じ指標ではありません。長期的な影響を明らかにするには、実験研究に加えて、人間を対象とする追跡研究などが必要です。
2026年時点の研究を総合すると、IQOSには有害性があり、紙巻きたばこと異なる物質への曝露や呼吸器への影響も考慮する必要があります。しかし、「IQOSの発がん性は紙巻きたばこの10倍・250倍」といった単一の倍率で、健康リスク全体を表現することはできません。
【TEREA・HEETS・SENTIAの有害性】受動喫煙と二度吸いにも注意
IQOSは本体の世代や使用するスティックによって仕様が異なります。TEREA、HEETS、SENTIA、マールボロ・ヒートスティックはいずれもIQOS関連のたばこスティックですが、製品ごとの組成や使用する加熱方式などは同一ではありません。
そのため、ある製品を使った実験の結果を、すべてのスティックや本体にそのまま当てはめることはできません。逆に、特定の製品で一部の有害物質が少なかったという結果だけを根拠に、別の製品を含めて安全だと判断することもできません。
IQOSのエアロゾルには何が含まれるのか
IQOSはたばこ葉を燃焼させずに加熱しますが、発生するのは無害な水蒸気ではなく、ニコチンや複数の化学物質を含むエアロゾルです。物質の種類や濃度は製品や測定条件によって変わります。
加熱式たばこのエアロゾルでは、たばこ特異的ニトロソアミン類やカルボニル化合物など、一部の有害物質への曝露が紙巻きたばこより低くなる場合があります。一方、WHOや2026年の独立研究レビューは、一部の有害物質が同程度または高い濃度で検出されることや、加熱式たばこに特有の有害物質が存在することを指摘しています。
重要なのは、特定の物質が減ったことと、健康リスク全体が同じ割合で減ることは別だという点です。複数の物質が混在するエアロゾルでは、それぞれの毒性、体内への取り込み、長期的な影響を総合的に考える必要があります。
受動喫煙や周囲の人への影響はないのか
IQOSでは、紙巻きたばこのような燃焼による煙が発生しないものの、使用時にはニコチンや有害化学物質を含むエアロゾルが放出されます。周囲の人がそれを吸い込む可能性もあるため、本人だけの問題として扱うことはできません。
一部の物質の放出量が紙巻きたばこの副流煙より少ない場合でも、受動曝露がゼロになるわけではありません。特に、子どもや妊婦、呼吸器疾患のある人などがいる環境では、室内での使用を避け、周囲の人をエアロゾルにさらさないことが大切です。
「煙が目立たない」「においが比較的弱い」という感覚的な特徴は、有害物質の有無や安全性を判断する根拠にはなりません。
アイコスの二度吸いで健康被害は増えるのか
一度使用したスティックを再加熱する、いわゆる「二度吸い」についても注意が必要です。再使用した場合にどのような成分がどの程度発生するか、通常使用と比べて健康リスクが何倍になるかを示す確立した臨床データはありません。
したがって、「二度吸いをすると発がん性が何倍になる」と断定することも、「二度吸いでも問題ない」と判断することも適切ではありません。再加熱による曝露量や成分の変化が明確でない以上、健康リスクを減らす方法として再使用を勧める根拠はありません。使用済みスティックの再使用は避け、健康リスクを減らすためには、たばこ製品そのものの使用をやめることを優先すべきです。
【フィリップ・モリスの公式見解】「曝露が少ない」と「安全」は違う
IQOSの販売元であるフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)は、たばこを燃やさずに加熱することで、有害・潜在的有害化学物質の発生を大幅に減らせると説明しています。また、紙巻きたばこからIQOSへ完全に切り替えた場合、身体が有害物質にさらされる量が減るという主張をしています。
このような曝露低減の主張については、米国FDAが指定製品に対して認可しています。2026年4月17日には、IQOS 2.4とIQOS 3.0の本体および指定された3種類のマールボロ・ヒートスティックについて、曝露低減に関する表示の認可が更新されました。
ただし、FDAが認めたのは、対象となる製品について、紙巻きたばこから完全に切り替えると有害物質への曝露が減るという趣旨の表示です。FDA自身も、たばこ製品に安全なものはなく、認可は製品の安全性を保証するものではないと明示しています。
この認可を、IQOSのすべての製品が安全であることや、がんの発症率が一定の割合で下がることの証明として受け取るのは誤りです。米国での認可対象も限定されており、日本で販売されているTEREAやSENTIAを含むすべての製品に同じ判断が適用されるわけではありません。
健康リスクを減らしたい人が優先すべきこと
健康面から考えると、最も確実な選択肢は、IQOSに切り替えることだけを目標にするのではなく、たばこ製品の使用そのものをやめることです。紙巻きたばこから加熱式たばこへ完全に切り替えることと、喫煙をやめることは同じではありません。
紙巻きたばことIQOSを併用している場合は、IQOSに切り替えたことだけを理由に健康リスクが十分に下がったと考えるべきではありません。使用量や曝露量は個人によって異なり、併用の影響を一律に数値化することも困難です。
禁煙を考えている場合は、禁煙外来や医療機関、自治体などの禁煙支援を活用する方法があります。ニコチン依存がある人にとっては、自己判断だけで使用製品を変え続けるよりも、医療者に相談しながら禁煙計画を立てることが現実的です。
【IQOSの発がん性】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:IQOSは紙巻きたばこより発がん性が高いのですか?
A1:一概にはいえません。IQOSでは一部の有害物質への曝露が紙巻きたばこより少なくなる一方、別の有害物質が同程度または高い濃度で検出されることがあります。製品全体の発がんリスクが紙巻きたばこより高い、または低いと単純に断定できるだけの長期的なデータは十分ではありません。
Q2:IQOSの発がん性が10倍、250倍という話は本当ですか?
A2:その数字を、人間のがん発症率が10倍や250倍になるという意味で裏付ける確かな根拠はありません。一部の化学物質の濃度が比較対象より10倍以上高かったという研究結果はありますが、特定成分の濃度差を製品全体の発がんリスクに置き換えることはできません。
Q3:横浜市立大学の研究でIQOSががんを引き起こすと証明されたのですか?
A3:人間のがん発症が証明されたわけではありません。2024年の研究では、加熱式たばこの抽出物が細胞に毒性を示し、低濃度ではがん細胞の増殖を促進する可能性が確認されました。これは細胞実験の結果であり、人間のがん発症率を直接測定した研究ではありません。
Q4:2026年の最新研究では、IQOSは安全と認められていますか?
A4:安全とは認められていません。2026年の独立研究レビューでは、加熱式たばこに有害物質が残り、心血管や呼吸器への悪影響があることが報告されています。一方、長期的ながん発症リスクの正確な数値化には、さらなる研究が必要です。
Q5:TEREA・HEETS・SENTIAなら発がんリスクは低いのでしょうか?
A5:銘柄名だけでリスクの高低を判断することはできません。製品ごとに仕様や組成が異なり、ある製品の試験結果を別の製品にそのまま当てはめることもできません。いずれも、たばこ由来の有害物質への曝露があることを前提に考える必要があります。
Q6:IQOSの受動喫煙や二度吸いにも注意が必要ですか?
A6:はい。IQOSのエアロゾルには有害物質が含まれ、周囲の人が吸い込む可能性があります。また、使用済みスティックの再加熱については健康リスクを定量化する確かなデータが不足しています。周囲への曝露を避け、使用済みスティックは再使用しないことが望まれます。
まとめ:IQOSの発がん性を判断するための基準
2026年時点の科学的知見から、IQOSを安全な製品と断定することはできません。たばこを燃焼させないことで一部の有害物質への曝露が減る可能性はありますが、発がん性が問題となる物質や、細胞・呼吸器・心血管系への悪影響が残ることも、研究によって示されています。
一方、「発がん性10倍」「250倍」という数字も、がん発症率そのものを表すものではありません。特定の物質の濃度、細胞実験の結果、実際の人間の健康影響は、それぞれ異なる証拠として評価する必要があります。
横浜市立大学の研究は加熱式たばこの細胞毒性とがん細胞増殖の可能性を示し、2026年の独立研究レビューや気道細胞研究も、有害性が残ることを裏付ける知見を加えています。ただし、長期的ながん発症率や紙巻きたばことのリスク差を正確に把握するには、さらなる研究が欠かせません。
健康リスクを減らすうえで重要なのは、「紙巻きたばこより害が少ないかもしれない」という情報を「吸っても安全」と取り違えないことです。 IQOSを使用している人も、これから使用を検討している人も、製品の宣伝文句や刺激的な倍率だけに頼らず、公的機関の評価、査読付き研究、実際に測定された指標を区別して判断する必要があります。健康への影響を最小限に抑えることを目指すなら、加熱式たばこへの切り替えだけではなく、たばこ製品の使用をやめることが最も重要な選択肢です。 (出典: iqos 発がん 性(Yahoo!ニュース))