2026年10月現在、フィギュアスケートの紀平梨花選手は、女子シングルからアイスダンスへと競技の舞台を移し、新たなキャリアを築いています。2018年のグランプリファイナル優勝、四大陸選手権2連覇、全日本選手権2連覇という輝かしい実績を持つ一方、2021年に発覚した右足首の疲労骨折が長引き、北京オリンピック、そしてミラノ・コルティナオリンピックへの出場もかないませんでした。
転機となったのは、2025年9月に発表した西山真瑚選手とのアイスダンスカップル結成です。2026年9月には国際大会にも復帰し、11月のNHK杯への出場も決まっています。現在の競技成績やけがからの復帰の経緯、アイスダンス転向の理由、引退説の真相、2030年冬季オリンピックへの展望まで、時系列に沿って整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 現在の活動:2025年9月に西山真瑚選手とアイスダンスカップル「りかしん」を結成し、2026年も競技活動を継続中。
- 転向の理由:2021年から続く右足首の距骨疲労骨折の影響で女子シングルでの復帰が難航。高難度ジャンプを主軸としないアイスダンスに新たな可能性を見いだした。
- 今後の目標:2026年のミラノ・コルティナ五輪には出場できなかったが、2026年9月の国際大会で8位となり、2030年冬季オリンピックを見据えて競技を続けている。
【2026年最新】紀平梨花の現在はアイスダンス選手として再出発
紀平梨花選手は2002年7月21日生まれ、2026年10月現在24歳です。女子シングルで日本のトップ選手として活躍した後、長引くけがを経てアイスダンスへ転向しました。現在の競技パートナーは西山真瑚選手で、2人は「りかしん」の愛称で活動しています。
2025年9月29日、紀平選手は西山選手とのカップル結成とアイスダンスへの挑戦を発表しました。西山選手は2025年の冬季アジア大会で銅メダルを獲得した実績を持つアイスダンサーです。同年夏に前のパートナーとのカップルを解消しており、新しいパートナーを探していた時期に紀平選手との協力が始まりました。
2026年は、練習だけでなく競技会への出場も続いています。8月にはカナダのウォータールーで今季初戦に臨み、リズムダンスで67.26点を記録して7組中3位となりました。続く9月4~6日のチャレンジャーシリーズ木下グループ杯は、2人にとって初めての国際大会です。
木下グループ杯では、リズムダンス61.37点、フリーダンス95.49点、合計156.86点を記録して8位に入りました。女子シングル時代以来、約4年ぶりの国際大会出場となり、長期離脱から競技の舞台に戻ってきたことを示す節目となりました。
さらに、2026年11月27~29日に開催予定のNHK杯への出場も決まっています。2026年10月現在の紀平選手は、引退して競技を離れた選手ではなく、アイスダンスで実績を積み上げている現役選手です。
【全盛期の実績】グランプリファイナル優勝と3回転アクセルの衝撃
紀平梨花選手の現在を理解するうえで欠かせないのが、女子シングル時代に築いた実績です。最大の特徴は、3回転アクセルをはじめとする高難度ジャンプの技術と、複数のジャンプを組み込む構成力でした。
2016年のジュニアグランプリシリーズ・リュブリャナ杯では、女子シングル史上初となるフリースケーティングでの8本の3回転ジャンプ成功を記録しました。2017年のジュニアグランプリファイナルでは、女子シングルで初めて3回転アクセル-3回転トウループの連続ジャンプを成功させています。
こうした技術を武器に、シニアデビュー後も早くから世界のトップ争いに加わりました。2018年にはグランプリシリーズのNHK杯とフランス大会で優勝し、グランプリファイナルも制覇。シニア1年目にして世界の主要大会で頂点に立ったことは、紀平選手のキャリアを象徴する出来事です。
2019年と2020年には四大陸選手権を連覇し、全日本選手権でも2連覇を達成しました。国際大会だけでなく国内選手権でも安定した強さを示し、日本女子シングルのエースとして期待される存在になりました。
主な実績を整理すると、次のとおりです。
- 2018年:グランプリファイナル優勝
- 2019年:四大陸選手権優勝、全日本選手権優勝、世界選手権4位
- 2020年:四大陸選手権2連覇、全日本選手権2連覇
- 2021年:世界選手権7位。その後、右足首の疲労骨折に苦しむことになる
紀平選手の強みは、単に難しいジャンプを跳べることだけではありません。ジャンプの種類を使い分け、プログラム全体の得点を組み立てる技術も大きな武器でした。だからこそ、右足首の故障によってジャンプの練習や試合への出場が制限されたことは、競技人生に大きな影響を及ぼしました。
【けがと北京五輪】2021年以降に何が起きたのか
紀平選手の長期離脱のきっかけは、2021年7月に発覚した右足首の距骨疲労骨折です。日本スケート連盟が2021年12月に公表した全日本選手権欠場の発表では、右距骨疲労骨折による右足関節痛が続いており、安静と治療が必要と説明されました。
距骨は足首の関節を構成する骨の一つです。フィギュアスケートでは、ジャンプの着氷時に大きな衝撃が足首へかかります。3回転アクセルなどの高難度ジャンプを武器としていた紀平選手にとって、右足首の状態を十分に回復させることは、練習量を確保するうえでも試合で力を発揮するうえでも重要な課題でした。
2021~2022年シーズンは北京オリンピックの代表選考を控えた時期でした。しかし、けがの回復が遅れ、紀平選手はグランプリシリーズを欠場。2021年12月の全日本選手権も、治療を優先するため欠場しました。
当時の北京五輪代表選考では、全日本選手権への出場が原則として必要でした。故障などのやむを得ない理由で欠場する場合にも選考対象となる例外規定はありましたが、過去の世界選手権で3位以内に入った実績などの条件が設けられていました。紀平選手の世界選手権最高成績は2019年の4位だったため、この例外の対象には該当せず、北京五輪への道が閉ざされました。
その後、紀平選手は2022~2023年シーズンに競技へ復帰しました。しかし、同シーズンの全日本選手権では11位となり、故障の影響が続きました。2023年には右足首の距骨疲労骨折について、以前より回復しているものの完治には至っていないと説明し、中部選手権を欠場。再びけがを抱えたまま試合に臨むことを避け、治療を優先する判断をしました。
2024~2025年シーズンも競技会への出場を見送る状況が続きました。2026年ミラノ・コルティナ五輪を目指す思いはあったものの、女子シングルでは五輪代表選考につながる大会に出場できず、2025年9月にはシングルでの出場の可能性がなくなりました。
長期離脱を理解するうえで重要なのは、単に「けがで試合に出られなかった」という点だけではありません。紀平選手の場合、最大の武器であるジャンプの練習と着氷に足首への負担が伴うため、復帰を急ぐことと、競技を続けられる状態を整えることの両立が難しかったのです。
【時系列まとめ】復帰から西山真瑚との転向、2026年の成績まで
紀平梨花選手の歩みは、女子シングルでの成功、けがによる長期離脱、そしてアイスダンスでの再出発という3つの段階に分けて理解できます。主要な出来事を年表にまとめました。
| 時期 | 出来事・大会成績 | 意味・その後への影響 |
|---|---|---|
| 2016~2017年 | ジュニア時代に3回転アクセルや3回転アクセル-3回転トウループを成功 | 高難度ジャンプを武器とする選手として注目される |
| 2018年 | グランプリファイナル優勝 | シニア1年目に世界の主要大会を制覇 |
| 2019~2020年 | 四大陸選手権2連覇、全日本選手権2連覇 | 日本女子シングルのトップ選手として実績を重ねる |
| 2021年7月~2022年 | 右足首の距骨疲労骨折。北京五輪を断念 | 長期離脱と治療を余儀なくされる |
| 2022~2023年 | 女子シングルに復帰するも、全日本選手権11位。故障の影響が続く | 競技復帰とけがの回復の両立が課題となる |
| 2025年9月 | 西山真瑚選手とのアイスダンスカップル結成を発表 | 女子シングルから新しい競技分野へ挑戦 |
| 2025年11月 | 西日本選手権でアイスダンスデビュー。合計136.74点で3位 | 長期離脱を経て競技会に復帰 |
| 2025年12月 | 全日本選手権アイスダンス4位、合計144.41点 | 新しい種目で国内大会の経験を積む |
| 2026年8~9月 | カナダの国内競技会で今季初戦。木下グループ杯は合計156.86点で8位 | 国際大会への復帰を果たし、競技経験を積み重ねる |
| 2026年11月(予定) | NHK杯に出場予定 | 今季の競技活動における次の重要な機会 |
2025年秋のアイスダンス転向発表から、初めての競技会までは短い期間でした。西日本選手権ではリズムダンス59.61点、フリーダンス77.13点、合計136.74点で3位。2人での競技会出場は大きな一歩となりました。
ただし、当初は2026年ミラノ・コルティナ五輪の団体戦出場も視野に入れていましたが、五輪に向けた条件を満たせず、2025年11月の段階で出場への道は閉ざされました。2025年12月の全日本選手権では4位となっています。
その後も競技活動は続き、2026年9月の木下グループ杯では国際大会に復帰しました。合計156.86点は、リズムダンス61.37点、フリーダンス95.49点という内訳です。2025年のデビュー戦から得点を伸ばしていることは、ペアとしての成長を測る一つの材料になります。ただし、競技会ごとにプログラムや採点条件が異なるため、得点だけで実力の向上を断定するのではなく、演技の安定性や技術面も合わせて見る必要があります。
【転向の理由】女子シングルとアイスダンスは何が違う?
紀平選手がアイスダンスを選んだ背景には、長引く右足首の故障と、新しい競技に活路を見いだしたいという思いがありました。
2025年9月の発表後、紀平選手は西山選手とともに練習を重ねるなかで、アイスダンスに楽しさや新たな可能性を感じたことを語っています。報道された本人の説明では、足のけがが完全には治らず、先の見通しを持ちにくい時期が続いていた一方、アイスダンスに取り組むことで新しい希望が見えてきたといいます。
西山選手からの誘いをきっかけに、カナダで一緒に滑る機会を持ち、トライアウトを重ねてカップル結成に至りました。2人はトロントでの練習を通じて、スケーティングの感覚が合うことや、一緒に滑る楽しさを感じたと報じられています。
女子シングルとアイスダンスでは、求められる技術の重点が異なります。
女子シングルの特徴は、3回転アクセルなどの高難度ジャンプ、ジャンプの組み合わせ、スピン、ステップ、表現力などを総合的に競うことです。紀平選手は特にジャンプの難度と構成力で高い評価を得ていましたが、ジャンプの着氷は右足首への負担にもつながります。
アイスダンスの特徴は、男女のパートナーが音楽に合わせ、ステップ、ツイズル、リフト、2人の距離感やタイミング、音楽表現などを組み合わせて演技することです。女子シングルのように3回転アクセルなどの高難度ジャンプを主軸に得点を競う種目ではありません。一方で、2人の動きを精密に合わせる技術や、パートナーとの連携が欠かせません。
この違いは、紀平選手にとって新たな可能性を生む一方、別の課題も意味します。女子シングルで培ったスケーティング技術、音楽表現、体の使い方はアイスダンスでも生かせますが、リフトやツイズル、ペアとしてのタイミングなどは新たに習得しなければなりません。
実際、転向直後の報道では、紀平選手自身が最初は一緒に滑ることにも苦労し、転倒することもあったと振り返っています。アイスダンスは「ジャンプをしなくてよいから簡単」という種目ではありません。競技に必要な技術を一から積み重ねることが求められます。
つまり、今回の転向は、けがの影響を受けにくい競技要素に取り組みながら、これまで培ったスケートの能力を生かす選択です。過去の実績だけに頼るのではなく、新しい種目で必要な技術を身につけることが、今後の成績を左右します。
【引退説の真相】ミラノ五輪を逃した理由と2030年への展望
紀平梨花選手について「引退したのではないか」という疑問が生じる背景には、女子シングルでの長期離脱と、2025年まで競技会への出場が少なかったことがあります。しかし、2026年10月現在の活動を見ると、競技そのものから引退したわけではありません。現在は西山真瑚選手とのアイスダンスに軸足を移し、国内外の大会に出場しています。
ここで整理しておきたいのが、北京五輪とミラノ・コルティナ五輪の違いです。
北京五輪は、2021年の右足首の疲労骨折により、女子シングルの代表選考に必要な大会へ出場できなかったことが大きな要因でした。一方、ミラノ・コルティナ五輪については、女子シングルでの出場可能性が2025年9月に消滅した後、アイスダンスでの挑戦を始めています。
2025年秋の時点では、アイスダンスの団体戦を通じた五輪出場も目標の一つでした。しかし、デビュー戦となった西日本選手権で、五輪につながる派遣条件を満たせず、同年11月にミラノ・コルティナ五輪への道が閉ざされました。転向を発表した時点では可能性を探っていたものの、最終的に2026年の五輪には出場していません。
現在の大きな目標は、2030年冬季オリンピックです。2026年8月の取材で紀平選手は「今季は結果を残す。日本のトップで争い、世界で評価されたい」と意欲を示しました。2026年9月の木下グループ杯で国際大会への復帰を果たし、11月のNHK杯にも出場予定です。
今後の評価で注目すべきなのは、単に大会に出場したかどうかだけではありません。リズムダンスとフリーダンスの両方で安定した演技ができるか、2人の連携や技術要素がどこまで成熟するか、国際大会で得点を伸ばせるかが重要になります。
また、紀平選手の過去の実績は大きな強みですが、女子シングルでの優勝経験が、そのままアイスダンスでの上位成績を保証するわけではありません。異なる種目で評価されるためには、ペアとしての完成度を高める必要があります。
【紀平梨花現在】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:紀平梨花は現在、何をしていますか?
A1:2026年10月現在、西山真瑚選手と組んだアイスダンス選手として活動しています。2026年9月の木下グループ杯では国際大会に復帰して8位となり、11月のNHK杯にも出場予定です。
Q2:紀平梨花が北京オリンピックに出場できなかった理由は何ですか?
A2:2021年7月に発覚した右足首の距骨疲労骨折が長引き、2021年12月の全日本選手権を欠場したためです。当時の代表選考基準では、紀平選手は欠場者向けの例外規定の対象条件を満たしておらず、北京五輪への出場はかないませんでした。
Q3:紀平梨花は引退したのですか?
A3:競技そのものから引退したわけではありません。2025年9月に女子シングルからアイスダンスへ転向し、現在も競技会に出場しています。現時点ではアイスダンスを中心に活動しており、2030年冬季オリンピックを見据えて競技経験を積んでいます。
【プロの結論】紀平梨花の現在をどう見るべきか
紀平梨花選手の2026年現在を一言で表すなら、女子シングルの実績を土台に、アイスダンスで新しい競技人生を切り開いている段階です。2018年のグランプリファイナル優勝や、四大陸選手権・全日本選手権の2連覇は、彼女の技術と競技力を示す確かな実績です。一方、2021年から続いた右足首の故障は、北京五輪とミラノ・コルティナ五輪という2つの大きな目標に影響しました。
それでも、紀平選手は競技を離れるのではなく、種目を変えることで新たな可能性を追求しています。2025年のアイスダンスデビュー、全日本選手権4位、2026年の国際大会復帰という歩みは、その挑戦が継続していることを示しています。
今後の動向を判断する際は、過去の優勝実績や五輪出場の有無だけでなく、現在の競技成績、技術の向上、ペアとしての安定性、そして長期的に競技を続けられる状態にあるかという点を総合的に見ることが大切です。
2026年のミラノ・コルティナ五輪には届きませんでしたが、紀平梨花選手の競技人生が終わったわけではありません。西山真瑚選手との「りかしん」が今季の大会でどこまで成長するのか。そして2030年冬季オリンピックを見据え、国際舞台でどのような評価を得ていくのか。現在の紀平選手を追ううえで、最も注目すべきポイントはそこにあります。
主な参照資料:日本スケート連盟の欠場発表、フジテレビの競技記録、日本オリンピック委員会の2026年活動報告、テレビ朝日のグランプリシリーズ選手紹介、共同通信系「Deep Edge Plus」のインタビュー・大会報道。
(出典: 紀平梨花 現在(Yahoo!ニュース))